妊娠中は、ママ自身と赤ちゃんの健康を支えるために特定の栄養素を意識的に摂取することが大切です。
妊娠中に特に重要な栄養素とはなにか、そしてその役割や推奨量、不足した場合などの要点をまとめてみました。
また、含まれる食品の例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
①葉酸
- 役割: 赤ちゃんの神経管閉鎖障害(脊髄や脳の異常)を予防。妊娠初期に特に重要。
- 推奨量: 妊娠前~妊娠初期は400~600μg/日
- 不足した場合: 先天性異常のリスク増加。
含まれる食品
→緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー)、果物(オレンジ、バナナ)、レンズ豆、枝豆
※サプリメントでの補充も推奨
②鉄分
- 役割: 血液量が増える妊娠中は鉄の需要が高まる。不足すると貧血や倦怠感の原因に。
- 推奨量: 妊娠中は20~30mg/日
- 不足した場合: 鉄欠乏性貧血、胎児の成長遅延のリスク。
含まれる食品
→赤身の肉(牛肉、鶏レバー)、魚(サバ、カツオ)、緑葉野菜(ケール、小松菜)、大豆製品(豆腐、納豆)
※ビタミンCと一緒に摂ると吸収が良くなります(例: レモン+ほうれん草サラダ)
③カルシウム
- 役割: 赤ちゃんの骨や歯の形成に必要。不足すると母体の骨が弱くなる可能性も。
- 推奨量: 妊娠中は1000mg/日
- 不足した場合: 母体の骨密度低下、胎児の発育不全。
含まれる食品
→乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ小魚)、(ししゃも、いわし)、豆腐、厚揚げ、アーモンド、ゴマ
④ビタミンD
- 役割: カルシウムの吸収を助け、赤ちゃんの骨や免疫の発達を促す。
- 推奨量: 5~10μg/日
- 不足した場合: 胎児の骨発育異常、母体の骨粗しょう症リスク。
含まれる食品
→サケ、サバ、イワシ、卵黄、強化食品(ビタミンD強化ミルクなど)
※日光浴も有効(1日15分程度)
⑤たんぱく質
- 役割: 赤ちゃんの成長、胎盤や母体の筋肉形成を支える重要な栄養素。
- 推奨量: 妊娠中は50~60g/日(通常より10~15g増量)
- 不足した場合: 胎児の成長遅延、母体の疲労感増加。
含まれる食品
→肉類(鶏肉、牛肉、豚肉)、魚(サーモン、ツナ)、卵、大豆製品(豆腐、納豆)、ナッツ類、乳製品
⑥オメガ3脂肪酸(DHA/EPA)
- 役割: 赤ちゃんの脳や視力の発達をサポート。
- 推奨量: 明確な基準はないが、魚を週2~3回程度食べることが推奨される。
- 不足した場合: 胎児の脳発達に影響。
含まれる食品
→青魚(サバ、イワシ、サーモン)、亜麻仁油、チアシード
⑦ビタミンC
- 役割: 鉄の吸収を助け、免疫力をサポートしてくれる。皮膚や組織の修復に必要な成分。
- 推奨量: 110mg/日
- 不足した場合: 低出生体重児のリスク増加。母体の免疫力低下による風邪や感染症リスク増加。
含まれる食品
→柑橘類(オレンジ、レモン)、パプリカ、ブロッコリー、キウイ、イチゴ
⑧食物繊維
- 役割: 妊娠中は便秘になりやすいため、腸内環境を整えるために重要。
- 推奨量: 18g以上/日
- 不足した場合: 妊娠糖尿病や高血圧のリスク増加、低出生体重児のリスクや胎盤の血流低下。
含まれる食品
→野菜(ゴボウ、キャベツ、さつまいも)、果物(リンゴ、バナナ)、全粒穀物、玄米
⑨ヨウ素
- 役割: 赤ちゃんの甲状腺ホルモン生成を助け、成長や発達に必要。
- 推奨量: 240μg/日
- 不足した場合: 胎児と母体の甲状腺機能低下症のリスク。胎児の発育不良のリスク増加。
含まれる食品
→海藻類(ワカメ、昆布、ひじき)、魚介類
※サプリメントにも含まれるため、総量が多くならないように注意。
栄養素の不足を防ぐためのポイント
妊娠中の注意点
これらは、妊娠時期に限らず常に必要な栄養素ではありますが、特に妊娠中や出産後には欠かせない重要な役割があります。
不足すると母体や胎児に影響が出る可能性があるため、必要量を意識して摂取することが大切です。