乾燥肌に本当に効果がある成分とは?

スキンケア

乾燥肌を改善するには、ただ保湿するだけでなく、肌が本当に必要としている成分を正しく選ぶことが重要です。
しかし、世の中には数多くの保湿成分があり、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。

今回は、乾燥肌にアプローチする成分を科学的に分析し、それぞれの成分が肌にどのように働きかけるのかを徹底的に解説します。これらの知識を身につけて、あなたの肌にぴったりの成分を見つけましょう。


乾燥肌に効果がある成分の「3つのタイプ」

乾燥肌を改善する成分は、その働きによって大きく3つのタイプに分けられます。

  1. 水分を「引き寄せる」成分(吸湿性成分): 空気中の水分や、次に使う化粧品の水分を肌に引き込む成分です。
  2. 水分を「挟み込む」成分(エモリエント成分): 肌の細胞と細胞の間に水分を閉じ込め、バリア機能をサポートする成分です。
  3. 水分を「閉じ込める」成分(保護成分): 肌の表面に膜を張り、水分が蒸発するのを防ぐ成分です。

この3つのタイプをバランス良く取り入れることが、乾燥肌を根本から改善する鍵となります。


タイプ別!乾燥肌に本当に効果がある成分【徹底解説】

1. 水分を「引き寄せる」成分

  • ヒアルロン酸: わずか1gで6リットルもの水分を保持できると言われるほどの高い保水力が特徴です。肌の表面に水の膜を形成し、しっとりとした潤いを与えます。分子量によって働きが異なり、高分子ヒアルロン酸は肌の表面を潤し、低分子ヒアルロン酸は角質層の奥まで浸透して保湿します。
  • コラーゲン: 肌の真皮層に存在し、ハリや弾力を保つ重要な成分ですが、化粧品として配合されるコラーゲンは、主に肌の表面で水分を保持する働きをします。ヒアルロン酸と組み合わせて使うことで、さらに高い保湿効果が期待できます。
  • グリセリン: 多くの化粧品に配合されている一般的な保湿成分です。空気中の水分を肌に引き寄せる力が強く、肌を柔らかく保ちます。

2. 水分を「挟み込む」成分

  • セラミド: 肌の細胞と細胞の間を埋める「細胞間脂質」の主成分であり、外部からの刺激を防ぎ、内部の水分蒸発を防ぐバリア機能の主役です。セラミドが不足すると、肌は水分を保てなくなり、乾燥肌や敏感肌につながります。
    • ヒト型セラミド: 人間の肌に元々存在するセラミドと最も構造が近く、肌へのなじみが良いのが特徴です。(セラミドNP、NG、APなど)
    • 天然セラミド: 馬などの動物由来のセラミドで、ヒト型セラミドに次ぐ保湿力があります。
  • アミノ酸: 肌の角質層に存在する「天然保湿因子(NMF)」の約半分を占める成分です。角質細胞内に水分を保持し、肌本来の潤いを保つ働きをします。

3. 水分を「閉じ込める」成分

  • スクワラン: サメの肝油やオリーブオイルなどに含まれる成分で、肌の皮脂に近い性質を持っています。肌に薄い膜を張り、水分が蒸発するのを防ぎます。ベタつきが少なく、サラッとした使い心地です。
  • ワセリン: 石油を精製して作られる油分で、非常に高い密閉力が特徴です。肌に強力な蓋をすることで、水分の蒸発を徹底的に防ぎます。ただし、肌への浸透力はないため、化粧水などで水分を補給した後に使うことが重要です。
  • シアバター: アフリカのシアの木の実から採れる植物性油脂で、保湿力に優れています。ワセリンと同様に肌の表面を保護する働きがありますが、ビタミンなども含まれているため、より肌に優しい成分です。

乾燥肌を根本から改善する成分の組み合わせ方

【正しいスキンケアの順序】

  1. 水分補給: ヒアルロン酸グリセリンが配合された化粧水で、肌に水分を与えます。
  2. バリア機能強化: セラミドアミノ酸が配合された美容液や乳液で、肌の細胞間に潤いを閉じ込めます。
  3. 水分蒸発防止: スクワランワセリンが配合されたクリームやオイルで、肌の表面に蓋をして、水分を逃がさないようにします。

乾燥肌を救う!主要保湿成分の徹底比較

乾燥肌を根本から改善するためには、「水分を引き寄せる成分」「肌に水分を挟み込む成分」「水分を閉じ込める成分」の3つのタイプをバランス良く取り入れることが重要です。

成分名タイプ特徴肌への働き選び方のポイント
セラミド挟み込む細胞間脂質の主成分。肌のバリア機能の約50%を占める。加齢とともに減少する。細胞の隙間を埋めて水分蒸発を防ぎ、外部刺激から肌を守る。ヒト型セラミド(セラミドNP, NGなど)は肌へのなじみが良く、高い効果が期待できる。
ヒアルロン酸引き寄せるわずか1gで6リットルの水分を保持する高い保水力が特徴。肌表面に水の膜を形成し、しっとりとした潤いを与える。高分子は肌表面を、低分子は角質層の奥を潤す。両方配合された製品がおすすめ。
グリセリン引き寄せる一般的な保湿成分。安価で多くの化粧品に配合されている。空気中の水分を肌に引き寄せ、肌を柔らかく保つ。配合量が多いとベタつきを感じることがある。他成分との相乗効果に期待。
コラーゲン引き寄せる肌のハリを保つ成分。化粧品に配合される分子量は大きく、浸透しにくい。主に肌表面で水分を保持し、潤いを閉じ込める。ヒアルロン酸などと併用することで、より高い保湿効果が期待できる。
NMF(天然保湿因子)挟み込むアミノ酸、尿素などで構成。肌に元々備わっている天然の保湿成分。角質細胞内に水分を吸着し、肌本来の潤いを保つ。アミノ酸尿素などが配合された製品を選ぶことで、NMFの働きをサポートできる。
スクワラン閉じ込めるサメの肝油やオリーブオイル由来の油分。肌の皮脂に近い成分。べたつきが少なく、肌に薄い膜を張り水分蒸発を防ぐ。純度99%以上の製品を選ぶと、肌への負担が少なく安心して使える。
ワセリン閉じ込める石油を精製して作られる油分。非常に高い密閉力を持つ。肌表面に強力な蓋を作り、水分の蒸発を徹底的に防ぐ。化粧水などでしっかり水分を補給した後に使うのが鉄則。
シアバター閉じ込めるシアの木の実から採れる植物性油脂。ビタミンも豊富。肌の表面を保護し、水分を閉じ込める。肌を柔らかくする効果も期待できる。乾燥が特に気になる部位におすすめ。

まとめ

乾燥肌に効果がある成分は、それぞれ異なる働きをしています。

  • 肌が乾燥しやすい時期には、まずセラミドを補給し、肌のバリア機能を立て直すことが最も重要です。
  • 水分不足を感じた時は、ヒアルロン酸グリセリンで水分をしっかり補いましょう。
  • 最後に、スクワランワセリンで肌に蓋をして、潤いを閉じ込めることを忘れないでください。

あなたの肌に本当に必要な成分を見つけ出し、正しいケアを実践することで、乾燥に負けない潤いのある肌を手に入れましょう。

コメント