保湿成分の3つの役割
保湿成分は、大きく分けて以下の3つの役割を担っています。
乾燥から肌を守り、健やかな状態を保つために欠かせない存在です
水分を引き寄せる
- 空気中の水分や、肌に与えた水分を引き寄せて保持します。肌の内側から潤いを満たすのが得意な成分です。
水分の蒸発を防ぐ
- 肌の表面に蓋をして、水分が外に逃げるのを防ぎます。肌をしっとり柔らかく保つ役割もあります。
肌のバリア機能を守る
- 肌の細胞同士をつなぎ、外部の刺激から肌を守るバリア機能を強化します。
肌質別の保湿成分の選び方

乾燥肌
乾燥肌は、肌の水分も油分も不足しがちで、肌のバリア機能も低下している状態です。そのため、3つの役割をバランス良く補うことが大切です。
水分を引き寄せる成分
- ヒアルロン酸: 非常に高い保水力で、肌に潤いをしっかり閉じ込めます。
- コラーゲン: 肌のハリや弾力を保ちながら、水分を保持します。
- グリセリン: 多くの化粧品に使われる代表的な保湿成分で、肌に水分を与えます。
水分の蒸発を防ぐ成分
- ワセリン: 肌表面に強力な膜を作り、水分の蒸発を徹底的に防ぎます。
- シアバター: 優れた保湿力とエモリエント効果で、肌を柔らかく保ちます。
- ホホバオイル: 肌なじみが良く、ベタつきが少ないのが特徴です。
肌のバリア機能を守る成分
- セラミド: 肌の細胞間脂質の主成分で、バリア機能を回復・強化します。特にヒト型セラミドは肌へのなじみが良いとされています。
対策: 化粧水でヒアルロン酸やコラーゲンを補給し、乳液やクリームでセラミドとシアバターなどを重ねて蓋をする、といった多角的なケアが効果的です。
脂性肌(オイリー肌)
脂性肌は皮脂が多いため、保湿は不要だと思われがちですが、肌内部は乾燥している場合があります(インナードライ)。油分が多すぎる成分は避け、さっぱりと潤いを補給する成分を選びましょう。
水分を引き寄せる成分
- ビタミンC誘導体: 水分補給に加え、皮脂のバランスを整えたり、毛穴を引き締めたりする効果も期待できます。
- アミノ酸: 肌の天然保湿因子(NMF)の主成分で、肌なじみが良く、さっぱりとした使用感が特徴です。
水分の蒸発を防ぐ成分
- 軽めのオイル: スクワランやホホバオイルなど、肌なじみが良く、ベタつきにくいものがおすすめです。
肌のバリア機能を守る成分
- セラミド: べたつかないタイプや、油分が少ないジェルタイプを選ぶと良いでしょう。
対策: ベタつきがちな乳液やクリームは控えめにし、アミノ酸やビタミンC誘導体配合の化粧水や美容液で、肌の内側からしっかり水分を与えるケアを心がけましょう。
混合肌
混合肌は、乾燥する部分(Uゾーン)と皮脂が多い部分(Tゾーン)が混在しています。それぞれの部分に合わせたケアが重要です。
水分を引き寄せる成分
- ヒアルロン酸やコラーゲンなど、水分補給に優れた成分。
水分の蒸発を防ぐ成分
- スクワランやホホバオイルなど、肌なじみが良い軽めのオイル。
肌のバリア機能を守る成分
- セラミドなど。
対策: Tゾーンには、さっぱりした化粧水を、Uゾーンにはセラミドやヒアルロン酸を補える乳液やクリームを重ねるなど、アイテムを使い分けるのが効果的です。
敏感肌
敏感肌は、外部の刺激に弱く、肌のバリア機能が低下しています。肌への刺激が少ない成分で、バリア機能をサポートするケアが大切です。
肌のバリア機能を守る成分
- セラミド: 肌のバリア機能を回復させ、外部刺激から守ります。
- アミノ酸: 肌の保湿因子を補い、肌のコンディションを整えます。
水分を引き寄せる成分
- ヒアルロン酸: 刺激が少なく、肌に優しい保湿成分です。
対策: 刺激となる可能性のあるアルコールや香料、着色料などが入っていない、敏感肌向けと記載された化粧品を選びましょう。まずはセラミドやアミノ酸といった、肌の土台を整える成分から試してみるのがおすすめです。
代表的な保湿成分の名前と役割

セラミド
- 役割: 肌の角質層に存在する脂質で、細胞と細胞の間を埋めることで肌のバリア機能を高めます。外部の刺激から肌を守り、肌内部の水分が蒸発するのを防ぐ、非常に重要な成分です。
- おすすめの肌質: 乾燥肌、敏感肌、エイジングケア
ヒアルロン酸
- 役割: 非常に高い保水力を持つ成分です。わずかな量で自分の何倍もの水分を抱え込むことができるため、肌にたっぷりの潤いを与え、ハリを保ちます。
- おすすめの肌質: 乾燥肌、全ての肌質
コラーゲン
- 役割: 肌の真皮層に存在するタンパク質の一種です。肌の水分を保ちながら、肌の弾力とハリを支える役割を担っています。
- おすすめの肌質: 乾燥肌、エイジングケア
グリセリン
- 役割: 多くの化粧品に配合されている代表的な保湿成分です。空気中の水分を肌に引き寄せる力があり、肌を柔らかく保ち、しっとりとした潤いを与えます。
- おすすめの肌質: 全ての肌質
NMF(天然保湿因子)
- 役割: 肌の角質層に元々備わっている保湿成分で、主にアミノ酸、乳酸、PCAなどで構成されています。肌本来の水分を保ち、潤いのある健やかな状態を維持します。
- おすすめの肌質: 全ての肌質
ワセリン
- 役割: 肌の表面に薄い膜を作り、水分の蒸発を強力に防ぐエモリエント成分です。肌内部に水分を留める蓋の役割を果たし、乾燥から肌を守ります。
- おすすめの肌質: 乾燥肌、敏感肌
スクワラン
- 役割: 肌の皮脂に近い成分で、非常に肌なじみが良いのが特徴です。ベタつきが少なく、肌を柔らかく整えながら水分の蒸発を防ぎます。
- おすすめの肌質: 全ての肌質、特にベタつきが苦手な方や脂性肌の方にも使いやすいです。
代表的な美容成分とその主な役割

保湿成分
肌の潤いを保ち、乾燥から守るための基本となる成分です。
- セラミド: 肌のバリア機能を高め、外部の刺激から肌を守り、水分が蒸発するのを防ぐ重要な成分です。乾燥肌や敏感肌のケアに欠かせません。
- ヒアルロン酸: 非常に高い保水力を持つ成分で、肌にたっぷりの水分を与え、みずみずしい潤いとハリを保ちます。
- コラーゲン: 肌の真皮層に存在し、肌の水分を保持しながら、弾力とハリを支える役割を担っています。
- NMF(天然保湿因子): 肌が元々持っている保湿成分で、主にアミノ酸などで構成されています。肌なじみが良く、潤いのある健やかな状態を維持します。
美白成分
メラニンの生成を抑えたり、排出を促したりして、シミやそばかすを防ぐ成分です。
- ビタミンC誘導体: メラニン色素の生成を抑えるだけでなく、コラーゲンの生成を助ける働きもあります。肌のトーンを明るくし、ハリにもアプローチします。
- アルブチン: メラニンを作り出す酵素の働きを抑え、シミやそばかすを防ぎます。ハイドロキノンから開発された成分で、肌への刺激が比較的少ないのが特徴です。
- トラネキサム酸: 炎症を抑える働きがあり、特に肝斑(かんぱん)など、慢性的な炎症が原因でできるシミに効果的とされています。
エイジングケア成分
肌のハリや弾力、シワなど、年齢による変化にアプローチする成分です。
- レチノール: 肌のターンオーバーを促し、コラーゲンの生成をサポートする働きがあります。シワやハリ不足の改善が期待でき、エイジングケアの代表的な成分です。
- ナイアシンアミド: 肌のバリア機能を高める働きに加え、シワ改善や美白効果も期待できる万能な成分です。
- ペプチド: アミノ酸が結合したもので、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートする働きがあります。肌にハリと弾力を与え、たるみやシワのケアに役立ちます。
肌荒れ防止成分
ニキビや肌の炎症を抑え、肌を穏やかに整える成分です。
- グリチルリチン酸2K: 炎症を抑える働きがあり、ニキビや肌荒れの予防・改善に効果的です。多くの化粧品や医薬部外品に配合されています。
これらの成分は、化粧水や美容液、クリームなど、様々なアイテムに配合されています。ご自身の肌悩みや目的合わせて、これらの成分が配合されているアイテムを選んでみてください。
代表的なエイジングケア成分の名前と役割

レチノール
- 役割: 肌のターンオーバーを促し、コラーゲンやヒアルロン酸の生成をサポートする働きがあります。シワやハリ不足の改善に効果的で、エイジングケアの代表的な成分です。ただし、肌への刺激が強いため、低濃度から試したり、使用頻度を調整したりする必要があります。
ナイアシンアミド
- 役割: 肌のバリア機能を高める働きに加え、シワ改善や美白効果も期待できる万能な成分です。肌への刺激が比較的少ないため、幅広い肌質の方が使いやすいのが特徴です。
ペプチド
- 役割: アミノ酸が結合したもので、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートする働きがあります。肌にハリと弾力を与え、たるみやシワのケアに役立ちます。
アスタキサンチン
- 役割: 強力な抗酸化作用を持つ成分で、紫外線などによる肌の酸化ダメージを防ぎます。肌のハリや潤いを保ち、くすみやシワのケアに役立ちます。
コエンザイムQ10
- 役割: 肌の細胞を活性化させ、エネルギーの生成を助ける働きがあります。肌の代謝を促し、ハリや弾力をサポートします。
コメント