出産後に食べたほうがいいものと控えたほうがいいものについて、母体の回復と母乳育児のサポートを念頭に置くことが大切です。
どんなものを食べた方がいいのか、何を控えるべきなのか具体的にまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
産後は、出産で消耗した体を回復させることと、母乳育児をサポートするために、栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。
以下は、産後に特に必要な栄養素とその役割、含まれる食品の例です。
出産後に食べたほうがいいもの
産後は栄養バランスを重視し、特に回復を促進する食品や母乳育児をサポートする食品を積極的に摂りましょう。
たんぱく質を豊富に含む食品
- 役割: 出産後の体の回復を助け、母乳の生産に必要。筋肉やホルモンの材料としても重要です。
- 必要量: 通常よりやや多め(1日50~70g)
- 鶏肉、豚肉、牛肉(低脂肪でよく加熱したもの)
- 魚(特にDHAを含む青魚:サバ、イワシ、サーモン、ツナ)
- 卵(完全に加熱)、豆腐、納豆、豆乳
- 乳製品(ヨーグルト、チーズ)
鉄分を含む食品
- 役割: 出産時の出血で失われた鉄分を補い、貧血を防ぎます。母乳育児中にも必要です。
- 必要量: 1日15~20mg程度
- レバー(鶏・豚)
- 赤身の肉(牛肉、ラム肉)
- 緑葉野菜(ほうれん草、小松菜)
- 大豆製品、ひじき、卵黄
※ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします(例: レモンとほうれん草)。
カルシウムを含む食品
- 役割: 母乳を通じて赤ちゃんに供給されるため、母体の骨密度を維持します。赤ちゃんの骨や歯の発達にも必要。
- 必要量: 1日1000~1300mg
- 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品
- 小魚(ししゃも、いわし)
- 緑葉野菜(ケール、チンゲン菜、小松菜)
- 豆腐、ゴマ、アーモンド
葉酸を含む食品
- 役割: 体の回復を助け、赤血球の生成をサポート。授乳中も赤ちゃんの成長に必要です。産後の貧血予防や母乳の栄養価向上に役立ちます。
- 必要量: 授乳中は1日400μg
- 緑黄色野菜(ほうれん草、アスパラガス、ほうれん草)
- レンズ豆、枝豆、大豆製品
- 果物(オレンジ、キウイ)
食物繊維を含む食品
- 役割: 産後のホルモンバランスの変化による便秘を予防し、腸内環境を整えます。
- 必要量: 1日18~20g
- 全粒穀物(玄米、全粒パン、オートミール)
- 野菜(キャベツ、ごぼう、にんじん)
- 果物(リンゴ、バナナ、キウイ)
- 豆類(レンズ豆、ひよこ豆)
DHA・EPA(オメガ3脂肪酸)を含む食品
- 役割: 母乳を通じて赤ちゃんの脳と視力の発達をサポートするほか、産後うつ予防にも効果が期待されます。
- 必要量: 週2~3回の魚の摂取を目安に。
- 青魚(サバ、イワシ、サーモン)
- 亜麻仁油、チアシード
ビタミンCを含む食品
- 役割: 傷の回復を助け、免疫力を高めます。また、鉄分の吸収をサポートします。
- 必要量: 1日100mg
- 柑橘類(オレンジ、グレープフルーツ)
- キウイ、イチゴ
- パプリカ、ブロッコリー
ビタミンDを含む食品
- 役割: カルシウムの吸収を助け、母体と赤ちゃんの骨の健康をサポートします。
- 必要量: 1日5~10μg
- サケ、サバ、イワシ
- 卵黄
- 強化食品(ビタミンD強化牛乳など)
※日光浴(15分程度)でも生成されます。
水分補給
- 役割: 母乳の生産をサポートし、脱水を防ぎます。また、体内の老廃物の排出を促す効果もあります。
- 目安: 1日2~2.5リットル(スープや果物からの摂取も含む)
- 水、麦茶、ルイボスティー(カフェインフリー)
- スープ(野菜スープ、味噌汁)
- 薄めたスポーツドリンク(塩分補給も兼ねる)
産後のサプリメント活用
忙しい育児中は食事で必要な栄養を全て補うのが難しい場合もあります。
その場合、以下のサプリを検討するのも良いでしょう。
- マルチビタミン(授乳期対応のもの)葉酸、ビタミンD、カルシウム、鉄分などをバランスよく含む製品が便利です。
- DHAサプリ魚を十分に摂取できない場合に活用。
- プロバイオティクス腸内環境を整え、免疫力アップや便秘解消をサポートします。
まとめ -必要な栄養素-
産後は、 たんぱく質、鉄分、カルシウム、DHA、ビタミン類 を中心に摂取を心がけましょう。
バランスの取れた食事を意識し、食事だけで補えない場合はサプリメントを取り入れることで健康を維持できます。
また、こまめに水分をとり、体の回復をサポートすることも大切です。
出産後に控えるべきもの
以下の食品は、母体の回復や赤ちゃんに影響を与える可能性があるため控えましょう。
脂肪分の多い食品
リスク: 消化に負担をかけ、体重増加や母乳の質低下につながる可能性があります。
- 揚げ物、脂肪の多い肉、バターやラードを多用した料理
強い香辛料や刺激物
リスク: 赤ちゃんが母乳を通じて影響を受け、機嫌が悪くなる場合があります。
カフェインを含む食品
リスク: 母乳を通じて赤ちゃんの睡眠や機嫌に影響を与える可能性があります。
- コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク
※カフェイン摂取は1日200mg以下に抑えるのが推奨されます。
アルコール
リスク: 母乳を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があります。
注意: アルコール摂取後は一定時間(授乳まで2~3時間以上)空けること。
高塩分の食品
リスク: 妊娠高血圧症候群やむくみが引き続き悪化する可能性があります。
甘いもの
リスク: 体重増加や母乳の質低下につながる可能性があります。
生ものや未加熱食品
リスク: 食中毒のリスクがあります。
アレルギーを引き起こしやすい食品(赤ちゃんの反応を観察)
リスク: 母乳を通じて赤ちゃんにアレルギー症状が出る場合があります。
- ナッツ類、牛乳、甲殻類、卵
※少量から試し、赤ちゃんの様子を確認しましょう。
出産後の食事ポイント
- 少量を頻回に: 特に授乳中はお腹がすきやすいため、1日5~6回に分けて食べるのがおすすめです。
- バランスの取れた食事: 主食・主菜・副菜をそろえた和食スタイルが理想的です。
- 食事の準備を簡単に: 野菜スープや煮込み料理など、作り置きできるものを活用しましょう。
- サプリメントを活用: 必要に応じて鉄分やカルシウム、葉酸サプリを取り入れると便利です。
まとめ -控えるもの-
出産後は栄養価の高い食品をバランスよく摂取し、母体の回復と母乳の質向上を目指しましょう。
一方で、刺激物や消化に負担をかける食品は控え、赤ちゃんの健康にも配慮した食事を心がけることが大切です。