新学期、新しい環境に馴染めずぐずってしまうお子さんへの対応は、親御さんにとってもつらいことですよね。
お子さんがぐずってしまうのは、新しい環境への不安や緊張、戸惑いからくるものです。
感情的に怒るのではなく、正しい方法で接することで、お子さんは安心して新しい環境に一歩踏み出せるようになります。
なぜ子供はぐずってしまうのか?
この時期のぐずりは、お子さんなりの「助けて」「不安だよ」という心のサインです。
- 新しい環境への不安と緊張: 先生や友達、教室の雰囲気が変わり、どう振る舞えば良いかわからず緊張しています。
- 「できるかな」という自信のなさ: 新しい勉強や活動についていけるか、友達ができるかといった不安を感じています。
- 生活リズムの変化: 進級によって登園・登校時間が変わったり、朝の準備が増えたりして、心身がまだ慣れていません。
- 親との離れる寂しさ: 慣れ親しんだ環境から離れ、親と離れることへの寂しさが強くなります。

正しい接し方と具体的な対応方法
お子さんのぐずりには、まず「共感」と「受容」が大切です。
感情に共感し、受け止める
まずは「そうだね、行きたくないよね」と、お子さんの気持ちを否定せずに受け止めてあげましょう。
決して「みんな行ってるよ」「泣かないの」といった言葉は使わないでください。
お子さんの不安な気持ちに寄り添うことで、心に安心感が生まれます。
具体的な言葉かけの例
・「行きたくないんだね。新しいクラス、ドキドキするよね」
・「ママと離れるの、寂しいね。うん、わかるよ」
・「泣いても大丈夫だよ。つらい気持ちを教えてくれてありがとう」

行く場所の楽しみを具体的に伝える
ぐずりが落ち着いてきたら、保育園や学校の良いところを具体的に伝えてあげましょう。楽しかった記憶や、これから起こるかもしれない楽しい出来事を思い出させることで、気持ちが前向きになります。
具体的な言葉かけの例
・「〇〇先生は、いつも笑顔で面白い話をしてくれるね」
・「今日の給食は〇〇だね。お友達と食べるの楽しみだね」
・「新しいお友達ができるかもしれないね。一緒に遊ぼうって声かけてみようか」
笑顔で送り出す「おまじない」
別れの際は、決して後ろ髪を引かれるようにしてはいけません。親御さんが笑顔で「行ってらっしゃい!」と送り出すことが、お子さんに「大丈夫だよ」という安心感を与えます。
- スキンシップ: 「ぎゅー」と抱きしめたり、「おでこにチュー」したりして、愛情をたっぷり伝えてあげましょう。
- 約束: 「帰ってきたら、今日あった楽しいお話聞かせてね」と、再会を楽しみにしていることを伝えます。
- おまじない: 親子だけが知っている特別な「行ってきますの合図」を決めるのも効果的です。

朝のルーティンを固定する
朝の忙しい時間帯は、親御さんも焦ってしまいがちです。この焦りがお子さんに伝わると、さらにぐずりがひどくなることがあります。
- 決まった流れ: 朝起きてから家を出るまでの流れを固定し、習慣化させましょう。
- 声かけ: 「朝だよー、〇〇ちゃんの大好きなパンの匂いがするよー」など、ポジティブな言葉でスムーズに起こしてあげましょう。
親御さんの心のケアも大切
お子さんのぐずりが続くと、親御さんも心身ともに疲れてしまいます。
- 自分を責めない: 「私の育て方が悪いのかな」と自分を責める必要はありません。これはお子さんの成長過程で誰もが通る道です。
- 完璧を目指さない: 毎日完璧にできるわけではありません。少しうまくいかない日があっても大丈夫だと割り切りましょう。
- パートナーと協力: 夫婦で情報を共有し、ぐずる日があってもどちらかが冷静に対応できるよう、お互いに支え合いましょう。
お子さんのぐずりは、成長の証でもあります。
焦らず、愛情をもって寄り添うことで、お子さんはきっと乗り越えてくれます。
ぐずった時に効果的な声かけのポイント
お子さんが新学期にぐずってしまう時、朝の時間は一刻を争うため、つい怒鳴ってしまいがちですよね。しかし、朝の最初の声かけが、その日一日の子供の気分を大きく左右します。
共感から始める
まず、お子さんの「行きたくない」という気持ちを否定せず、受け止めてあげることが大切です。
NGな声かけ
・「早くしなさい!」「なんで行きたくないの?」
・「みんな行ってるんだから、泣かないの」
OKな声かけ
・「行きたくないんだね、寂しいね」
・「うん、わかるよ。新しいクラス、ドキドキするよね」
ポジティブなイメージを伝える
ぐずりが少し落ち着いたら、これから行く場所の楽しいことを具体的に伝えてあげましょう。
NGな声かけ
・「そんなこと言ってると遅刻するよ」
・「行かないと、先生に怒られちゃうよ」
OKな声かけ
・「今日の給食は、〇〇ちゃんの大好きなカレーだよ!」
・「帰ってきたら、今日あったおもしろいお話聞かせてね」
・「今日はブランコ乗れるかな?楽しみだね」
選択肢を与えて自分で行動させる
「あれしなさい、これしなさい」と命令するのではなく、自分で選ばせることで自立心を促し、スムーズに行動できるようになります。
NGな声かけ
・「早く着替えて!」
・「さっさとご飯食べなさい!」
OKな声かけ
・「今日はどっちの服を着ていく?赤色のTシャツと、青色のTシャツ、どっちがいい?」
・「ご飯を全部食べたら、靴下を履こうか」
朝の時間をスムーズにするための工夫
笑顔で起こしてあげる
朝起きた時の一言は、お子さんの気分に大きく影響します。優しい笑顔で起こし、スキンシップをとってあげましょう。
・「おはよう!今日もいい天気だね!」
・「今日も一日、元気でいってらっしゃい!」
朝のルーティンを「見える化」する
朝起きてから家を出るまでの流れを、イラストや写真を使って紙に書き出し、壁に貼っておくのも効果的です。
- イラストの例: 「起きたらお顔を洗う」「ご飯を食べる」「着替える」「歯を磨く」など。
- メリット: お子さんが自分で次に何をすべきか把握できるため、親御さんの声かけが減り、自発的な行動を促せます。

朝の忙しい時間帯は大変ですが、少しの工夫と声かけで、お子さんの不安は和らぎます。
ぜひ試してみてくださいね。
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