4月は、冬の乾燥を引きずりつつ、春特有の環境変化が重なるため、肌が非常に不安定になりやすい時期です。多くの人が何らかの肌トラブルを感じやすくなります。
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4月の肌の状態
- 寒暖差と乾燥: 日中は暖かくても朝晩は冷え込むため、肌の水分バランスが崩れやすくなります。
- 紫外線量の急増: 3月から4月にかけて紫外線量(特にUVA)が急激に増え、シミや光老化の原因となります。
- 外部刺激の増加: 花粉や黄砂、PM2.5といったアレルゲンが飛散し、肌に付着することで肌荒れやかゆみを引き起こしやすくなります。
- 新生活のストレス: 環境の変化によるストレスは、ホルモンバランスや自律神経を乱し、肌のターンオーバーの停滞やニキビの原因となります。
4月に多くなる肌質とトラブル
さまざまな環境要因により、普段とは違う肌の状態に悩む人が多くなります。
ゆらぎ肌(一時的な敏感肌)

- 「ゆらぎ肌」は、アレルギー体質でない人にも起こりうる一時的な肌状態です。
- 外部からの刺激に対して肌が過敏に反応し、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などを感じやすくなります。
- 花粉や黄砂などのアレルゲンが肌に直接付着し、バリア機能が壊れた部分から侵入することで、肌内部で炎症が起こりやすくなります。
- 紫外線やストレスも肌の防御機能を弱めるため、外部刺激に対する抵抗力が失われ、肌が過敏に反応してしまいます。
具体的な症状
- 肌全体がなんとなくかゆい、むずがゆい
- 頬や目の周りに赤みやヒリヒリ感がある
- いつも使っている化粧品が急に合わなくなった
- 肌がカサつき、粉を吹いたようになる
インナードライ肌

- 「インナードライ」とは、肌の表面は皮脂でベタついているのに、内部は水分が不足している状態です。
- 水分と油分のアンバランスがインナードライの根本的な原因です。
- 外気やエアコン、紫外線などで肌の水分が奪われる一方で、肌を守ろうと皮脂が過剰に分泌されます。
- 表面はベタつくのに、洗顔後につっぱりを感じたり、ファンデーションが崩れやすくなったりします。
具体的な症状
- Tゾーン(おでこや鼻)はテカるのに、頬や口元はつっぱる
- ファンデーションが毛穴落ちしたり、崩れやすくなったりする
- 肌がごわごわしていて、柔らかさがない
- 洗顔後、すぐに保湿しないと肌がつっぱって痛い
混合肌

- 「混合肌」は、TゾーンとUゾーンで肌質が異なる状態を指します。
- Tゾーン(おでこ・鼻)は皮脂が多くベタつきやすいのに、Uゾーン(頬・口元)は乾燥するという、2つの肌質が混在している人が増えます。
- ストレスや寒暖差が、TゾーンとUゾーンのバランスをさらに崩しやすくします。
- マスク生活が続いていると、マスク内の蒸れでTゾーンの皮脂分泌が活発になる一方、マスクの摩擦や外した際の急激な乾燥でUゾーンの乾燥が進行しやすくなります。
具体的な症状
- Tゾーンにはニキビや毛穴の黒ずみができやすい
- 頬や口元には乾燥による小じわや粉吹きが見られる
- 肌全体に潤いがなく、化粧ノリが悪い
- 部分的に肌荒れを繰り返す
これらの肌トラブルを防ぐためには、徹底した保湿と紫外線対策を心がけることが大切です。
ゆらぎ肌とインナードライが同時に起こることもあるため、自分の肌状態を日々丁寧に観察し、その日の状態に合わせたケアを心がけましょう。
4月の肌の状態を支配する「バリア機能の低下」
4月の肌がデリケートになる最大の要因は、肌のバリア機能が低下していることにあります。
バリア機能とは、肌の最も外側にある角質層が持つ、外部の刺激から肌を守り、内部の水分蒸発を防ぐ役割のことです。
肌のバリア機能は、外部の刺激から肌を守り、内側の水分を逃がさないようにする、肌の防御壁です。この機能が低下すると、肌は無防備な状態になり、さまざまな肌トラブルを引き起こしやすくなります。

バリア機能の仕組み
肌の最も外側にある角質層は、バリア機能の中核を担っています。この角質層は、「レンガ」のような形をした角質細胞と、その間を埋める「セメント」のような役割の細胞間脂質(セラミドなど)で構成されています。この強固な構造が、外部からの刺激(花粉、紫外線、雑菌)の侵入を防ぎ、同時に肌内部の水分蒸発を防いでいるのです。
この「レンガとセメント」の構造が崩れると、肌は本来の防御力を失ってしまいます。
バリア機能が低下する主な原因
バリア機能は、日々の生活習慣や環境によって簡単にダメージを受けてしまいます。
外部からの要因
- 乾燥: 空気の乾燥やエアコンなどが原因で、肌の水分が奪われ、細胞間脂質が乱れます。
- 摩擦: ゴシゴシと力を入れて洗顔したり、タオルで強くこすったりすることで、角質層が傷つけられます。
- 洗浄力の強いクレンジング・洗顔: 必要以上に肌の油分を奪ってしまい、肌の潤いを保つ皮脂膜まで洗い流してしまいます。
- 紫外線: 紫外線は肌の細胞にダメージを与え、バリア機能を低下させます。
- 花粉・PM2.5: これらが肌に付着すると、かゆみや炎症を引き起こし、バリア機能をさらに弱めます。
内部からの要因
- 睡眠不足: 睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の修復に不可欠です。睡眠が不足すると、肌の再生が滞ります。
- ストレス: ホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバーのサイクルを狂わせます。
- 加齢: 年齢を重ねるごとに、細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)が減少し、バリア機能も自然と低下していきます。
バリア機能が低下すると現れる具体的な症状
バリア機能が壊れると、外部刺激が容易に肌内部に侵入し、内部の水分が蒸発しやすくなるため、以下のような症状が現れます。
- かゆみ、赤み、ヒリヒリ感: 外部刺激に過敏に反応し、炎症が起こりやすくなります。
- 乾燥、つっぱり、粉吹き: 肌の水分を保つ力が失われ、肌がカサつき、乾燥がひどくなります。
- ニキビや吹き出物: バリア機能が低下した肌は、雑菌が繁殖しやすくなり、肌荒れやニキビに繋がります。
- 化粧品がしみる: 普段使っている化粧水がヒリヒリと感じるなど、肌が刺激に敏感になります。
- キメが乱れる: 肌の表面がごわつき、キメが荒くなったように感じます。
バリア機能を回復・強化するためのケア
バリア機能の回復には、まず「肌を傷つける行為をやめること」が最も重要です。
守るケア(NG行動の停止)
- 摩擦を避ける: 洗顔時はたっぷりの泡で、スキンケア時は肌をこすらずやさしくなじませましょう。
- 熱いお湯は避ける: 洗顔やシャワーで熱すぎるお湯を使うと、肌の油分を過剰に奪い、バリア機能が壊れます。
補うケア(保湿成分の補給)
- セラミド: セラミド配合の美容液やクリームで、肌の細胞間を埋める脂質を直接補給します。
- NMF(天然保湿因子): アミノ酸やPCAなどで構成される天然保湿因子を補うことで、肌が本来持つ水分保持力をサポートします。
- ワセリン・オイル: 軽度のワセリンやオイルで肌表面に蓋をし、水分が蒸発するのを防ぎます。
根本的なケア(生活習慣の改善)
- 十分な睡眠: 睡眠は肌の再生に欠かせない時間です。質の良い睡眠を確保しましょう。
- バランスの取れた食事: タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、肌を作る栄養素をバランス良く摂ることが大切です。
- ストレス管理: 趣味の時間やリラックスできる時間を作り、心身ともに休めるようにしましょう。
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