春の花粉症の時期の肌ケアは、肌質ごとに異なるアプローチが必要です。
花粉による肌荒れは、アレルギー反応だけでなく、物理的刺激、乾燥、バリア機能の低下など複数の要因が絡み合って起こります。
ここでは、春の花粉症の時期にやるべきスキンケア、肌荒れ対策、敏感肌対策、敏感肌にならない方法、そして荒れてしまった肌の改善方法を、各肌質(乾燥肌、脂性肌、混合肌、普通肌)に分けて詳しく分析してご説明します。
Contents
春の花粉症時期の肌の基本状態と課題
バリア機能の低下
- 冬の乾燥ダメージが残っている上に、花粉、黄砂、PM2.5、急な紫外線増加といった外的刺激により、肌のバリア機能(角層の水分保持機能や外部刺激から肌を守る機能)が低下します。
- バリア機能が低下すると、アレルゲンが侵入しやすくなり、肌内部の水分も蒸発しやすくなります。
乾燥と敏感化
- 肌の水分蒸発が進むと乾燥し、かゆみやヒリつきといった敏感な症状が現れやすくなります。
炎症と赤み
- アレルゲンが肌に付着し、バリア機能が低下した肌に侵入すると、アレルギー反応や炎症が起こり、赤みやかゆみ、湿疹のような症状が出ることがあります。
ニキビ・吹き出物
- 花粉や黄砂などの物理的な汚れが毛穴に詰まりやすくなること、また肌のバリア機能が低下して炎症が起こりやすくなることで、ニキビや吹き出物が発生・悪化しやすくなります。

花粉症時期の肌ケア:共通の基本原則
徹底した「摩擦レス」ケア
- 肌が敏感になっているため、物理的な刺激を最小限に抑えることが最も重要です。
「低刺激性」アイテムの選択
- 無香料、無着色、アルコール(エタノール)フリー、パラベンフリー、敏感肌テスト済みなどの表示があるものを選びましょう。
「バリア機能強化」と「高保湿」
- 肌の潤いを守り、外部刺激から肌を守る機能を高める成分(セ\ラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸など)を積極的に取り入れましょう。
「外的刺激からの防御」
- 花粉、黄砂、PM2.5、紫外線などから肌を物理的に守る工夫をします。
「鎮静ケア」
- 赤みやかゆみ、炎症が起きてしまった肌を速やかに落ち着かせるケアを取り入れます。
各肌質に合わせたスキンケア方法とおすすめアイテム

1. 乾燥肌の方のスキンケア
- 肌の特徴: 花粉の時期は、さらに乾燥が深刻化し、かゆみ、粉吹き、ひどい場合は赤みやひび割れなどが生じやすいです。バリア機能が特に低下しやすいタイプです。
- 心がけるべきこと: 保湿とバリア機能強化を最重視し、肌に刺激を与えないよう徹底します。
スキンケアステップとアイテム
- クレンジング
- 方法: 肌への負担が少ないミルク、クリーム、ジェルタイプを選び、肌をこすらず優しく馴染ませ、素早く洗い流します。
- おすすめアイテム:
- ミノン アミノモイスト モイストミルキィ クレンジング: 低刺激で肌の潤いを守るミルク。
- キュレル ジェルメイク落とし: 肌に優しく、なめらかなジェルで摩擦を軽減。
- 洗顔
- 方法: 弱酸性のアミノ酸系泡洗顔料を使い、たっぷりの泡で肌を包み込むように洗います。ぬるま湯で丁寧にすすぎ、タオルで優しく抑えるように水気を取ります。
- おすすめアイテム:
- キュレル 潤浸保湿 泡洗顔料: セラミドを守りながら優しく洗える泡タイプ。
- ミノン アミノモイスト ジェントルウォッシュ ホイップ: きめ細かい泡で肌の潤いを守る。
- 化粧水
- 方法: セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸など高保湿成分が豊富な、とろみのあるタイプを選び、重ね付けでしっかり水分補給します。
- おすすめアイテム:
- イハダ 薬用ローション (とてもしっとり): 高精製ワセリン配合でバリア機能サポート。
- 肌ラボ 極潤 ヒアルロン液 プレミアム: 7種のヒアルロン酸配合で高い保湿力。
- 美容液
- 方法: セラミド配合の美容液でバリア機能を集中強化。炎症が気になる場合はCICAやグリチルリチン酸2K配合のものを。
- おすすめアイテム:
- なめらか本舗 薬用リンクル美容液: ナイアシンアミド配合でバリア機能強化とハリケア。
- IHADA 薬用バーム: ポイント使いで、乾燥や荒れがひどい部分を保護。
- 乳液・クリーム
- 方法: 油分が多めで、肌表面に保護膜を形成するようなこっくりとしたテクスチャーを選び、化粧水・美容液の潤いをしっかり閉じ込めます。
- おすすめアイテム:
- キュレル 潤浸保湿 フェイスクリーム: セラミドケアの定番。しっかり潤いを閉じ込める。
- アベンヌ スキンケアミルク: 温泉水とセレクチオーズで肌のバリア機能をサポート。
- セタフィル レストラダーム ボディローション / クリーム: 顔にも使える低刺激で高保湿な大容量タイプ。
- 日焼け止め
- 方法: 毎日、敏感肌用・ノンケミカル処方の日焼け止めをしっかり塗ります。
- おすすめアイテム:
- dプログラム アレルバリア エッセンス UV N: 花粉・チリなどの微粒子からも肌を守る。
- ラロッシュポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ: 低刺激でUVカットと肌補正も。
- スペシャルケア
- 方法: 週1~2回、高保湿・低刺激性のシートマスクで集中保湿。冷やしたマスクは炎症鎮静にも。
- おすすめアイテム:
- ミノン アミノモイスト ぷるぷるしっとり肌マスク: 敏感肌にも安心の高保湿マスク。
2. 脂性肌の方のスキンケア
- 肌の特徴: べたつきやすいが、花粉の時期はインナードライになりやすく、表面はオイリーなのに内側は乾燥してカサつく、かゆみを感じる、ニキビが悪化しやすいなどの症状が出やすいです。
- 心がけるべきこと: 皮脂バランスを整えつつ、水分補給を怠らない。ニキビ悪化を防ぐために清潔を保ちつつ、刺激を与えない。
スキンケアステップとアイテム
- クレンジング
- 方法: 肌に優しいジェルタイプや水クレンジングで、メイクや毛穴の汚れを優しく浮かせます。
- おすすめアイテム:
- 無印良品 マイルドジェルクレンジング: 肌に優しく、さっぱりとした使用感。
- 洗顔
- 方法: 過剰な皮脂を吸着しつつ、潤いを奪わないタイプを選び、きめ細かい泡で優しく洗います。
- おすすめアイテム:
- ファンケル 洗顔パウダー: 酵素の力で毛穴汚れを落としつつ、保湿成分で潤いをキープ。
- アクネスラボ 薬用 洗顔フォーム: 殺菌成分や抗炎症成分配合でニキビ対策も。
- 化粧水
- 方法: さっぱりとした使用感ながら、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分がしっかり配合されたタイプで、肌の奥まで水分を届けます。
- おすすめアイテム:
- 肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水: 美白成分と保湿成分を両立し、ベタつきにくい。
- なめらか本舗 薬用美白化粧水: 豆乳イソフラボンやアルブチン配合で、肌を整えつつ美白も。
- 美容液
- 方法: ビタミンC誘導体で皮脂バランスを整え、ナイアシンアミドで肌のバリア機能をサポート。
- おすすめアイテム:
- メラノCC 薬用しみ集中対策美容液: 高浸透ビタミンC誘導体で皮脂バランスとニキビ対策。
- なめらか本舗 薬用リンクル美容液: ナイアシンアミド配合で肌荒れ・バリア機能ケア。
- 乳液・クリーム
- 方法: さっぱりとしたジェルタイプや油分控えめの乳液で、水分を閉じ込めます。ベタつきが気になるTゾーンは少量に。
- おすすめアイテム:
- キュレル 潤浸保湿 乳液: ベタつきにくいのにしっかり保湿。
- アクネスラボ 薬用アクネジェル: ニキビケアと保湿を両立。
- 日焼け止め
- 方法: さっぱりとした使用感で、ノンコメドジェニックテスト済みの日焼け止めを選びます。
- おすすめアイテム:
- スキンアクア スーパーモイスチャージェル: 軽い使用感で日常使いに最適。
- ALLIE クロノビューティ ジェルUV EX: 汗・水に強く、擦れにも強い。
3. 混合肌の方のスキンケア
- 肌の特徴: Tゾーンはベタつくのに、頬や口元は乾燥しやすいのが特徴。花粉の時期は、TゾーンのニキビとUゾーンの乾燥・敏感症状が同時に現れることがあります。
- 心がけるべきこと: 部分的にアイテムや量を使い分け、肌の水分と油分のバランスを整えます。
スキンケアステップとアイテム
- クレンジング・洗顔
- 乾燥肌の方と同様に、低刺激性で摩擦レスなアイテムを選びましょう。
- おすすめアイテム:
- カウブランド 無添加 泡の洗顔料: 肌に優しく、さっぱりしすぎない洗い上がり。
- 化粧水
- 方法: さらっとした質感ながら、保湿力のあるタイプを選び、乾燥しやすい部分には重ね付け。
- おすすめアイテム:
- 資生堂 アクアレーベル バランスアップ ローション (II しっとり): 水分と油分のバランスを整える。
- ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ: ベタつかず高保湿。
- 美容液
- 方法: TゾーンにはビタミンC誘導体、乾燥しやすい部分にはセラミドやナイアシンアミド配合のものを。または、全体にはバリア機能強化のものを。
- おすすめアイテム:
- 無印良品 導入化粧液: その後のスキンケアの浸透をサポート。
- Dr.Ci:Labo VC100エッセンスローションEX: ビタミンC誘導体配合で、肌全体のバランスを整える。
- 乳液・クリーム
- 方法: Tゾーンにはジェルタイプや油分控えめの乳液、Uゾーンにはややコクのある乳液やクリームを使うなど、部分的に使い分けを。
- おすすめアイテム:
- 肌ラボ 極潤 ヒアルロンクリーム: 軽いテクスチャーで保湿力も高い。
- キュレル 潤浸保湿 乳液: ベタつきが気になる部分に。
- キュレル 潤浸保湿 フェイスクリーム: 乾燥しやすい部分に。
- 日焼け止め
- 脂性肌の方と同様に、ノンコメドジェニックテスト済みのさっぱりタイプがおすすめです。
4. 普通肌の方のスキンケア
- 肌の特徴: 本来は肌トラブルが少ないタイプですが、花粉の時期は一時的に敏感になったり、軽い乾燥や赤みが出たりすることがあります。
- 心がけるべきこと: 現状維持を基本としつつ、バリア機能強化と外的刺激からの防御を意識します。
スキンケアステップとアイテム
- クレンジング・洗顔
- 普段使いのアイテムで問題なければ継続。ただし、摩擦レスは徹底します。
- おすすめアイテム:
- カウブランド 無添加 メイク落としミルク / 洗顔フォーム: シンプルな処方で肌に優しい。
- 化粧水
- 方法: 普段使いの化粧水で十分な潤いを感じられればOK。必要に応じて、バリア機能強化成分をプラス。
- おすすめアイテム:
- 菊正宗 日本酒の化粧水 高保湿: さっぱり使えるのに高保湿。
- 美容液
- 方法: 季節的なゆらぎに対応するため、セラミドやCICA、ナイアシンアミド配合の美容液を一時的に取り入れるのがおすすめです。
- おすすめアイテム:
- 無印良品 敏感肌用薬用美白美容液: 低刺激で肌荒れ予防効果も期待。
- 乳液・クリーム
- 方法: 普段の乳液やクリームで十分であれば継続。少し乾燥を感じる日は、やや保湿力の高いタイプに切り替えるか、重ね付けを。
- おすすめアイテム:
- ニベアクリーム (青缶): 高保湿で肌を保護。部分的な乾燥やバリア機能強化に。
- 日焼け止め
- 普段使いのもので問題なければ継続。肌が敏感になっていると感じたら、敏感肌用・ノンケミカル処方へ切り替えましょう。
花粉で荒れてしまった肌荒れの改善方法(全肌質共通)

刺激を与えない」「徹底的に鎮静・保湿・保護する
- スキンケアは最小限に:
- 使用アイテム数を減らし、肌への負担を最小限に抑えます。化粧水と乳液・クリーム(またはワセリンなど)のみにするなど。
- 鎮静・抗炎症成分の導入:
- グリチルリチン酸2Kやアラントイン、**CICA(ツボクサエキス)**配合の化粧水や美容液、クリームを選び、炎症を鎮めます。
- おすすめアイテム:
- IHADA 薬用バーム: 高精製ワセリンと抗炎症成分配合で、荒れた肌を保護・鎮静。
- ラロッシュポゼ シカプラスト バーム B5+: 敏感肌の肌荒れ修復に特化したバーム。
- ワセリンなどの保護剤の活用:
- 洗顔後やスキンケアの最後に、ワセリンを薄く塗ることで、肌表面に保護膜を作り、外部刺激から肌を守り、肌内部の水分蒸発を防ぎます。特にひどい赤みやかゆみ、粉吹きがある部分に有効です。
- シートマスクでの集中ケア:
- 低刺激性で、鎮静・保湿成分配合のシートマスクを週1~2回取り入れます。冷蔵庫で冷やしたマスクは、肌のほてりや赤みを落ち着かせる効果も期待できます。
- メイクは控える、または肌に優しいものを:
- 肌荒れがひどい時は、できるだけメイクを控えるのが理想です。どうしても必要な場合は、肌に優しいミネラルファンデーションなどを使用し、クレンジングも肌に負担の少ないものを選びましょう。
- 医療機関への相談:
- 赤み、かゆみ、湿疹がひどい、なかなか治らない場合は、自己判断せずに皮膚科を受診しましょう。適切な治療薬(ステロイド外用薬など)を処方してもらうことで、早期に症状を改善できます。
敏感肌にならないための予防策(全肌質共通)
普段からの予防が最も大切
- 一年を通して紫外線対策: 紫外線は肌のバリア機能を低下させる最大の敵です。年間を通して日焼け止めを欠かさず使用しましょう。
- 摩擦レススキンケアの習慣化: 普段から肌をこすらないスキンケアを心がけましょう。
- 十分な保湿: 乾燥は肌のバリア機能を低下させます。肌質に合った保湿ケアを継続しましょう。
- バランスの取れた食生活: 腸内環境を整える発酵食品や食物繊維、肌の健康を保つビタミン、タンパク質を意識して摂取しましょう。
- 十分な睡眠とストレスケア: 免疫力や肌のターンオーバーを正常に保つために、規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
- 肌状態の観察: 普段から自分の肌の調子をよく観察し、少しでも異変を感じたら、早めに刺激の少ないケアに切り替えたり、専門医に相談したりする習慣を持ちましょう。
春の花粉症の時期の肌ケアは、ただ保湿するだけでなく、「肌を守る」という意識が非常に重要です。ご自身の肌質と肌状態に合わせて、これらの情報を活用し、健やかな肌を保ってくださいね。
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