何を使っても乾燥が改善されず、べたつきと乾燥が混在するお肌の状態は、インナードライ肌の可能性が高いです。表面は皮脂でべたつくのに、肌の内側は水分不足で乾燥している状態です。
この状態だと、どんなに保湿しても浸透しづらく、ファンデーションも浮いてしまいます。
インナードライ肌を改善するためには、正しいスキンケアとアイテム選びが重要です。ここでは、インナードライ肌を改善するための具体的なケア方法とおすすめアイテム、使うタイミング、スキンケアの仕方について詳しくご説明します。
インナードライ肌改善のためのスキンケアの基本
インナードライ肌のケアで最も大切なのは、「肌のバリア機能を整えること」と「水分と油分のバランスを適切に保つこと」です。
1. 洗顔:洗いすぎに注意し、優しく汚れを落とす
インナードライ肌は、刺激に弱くバリア機能が低下していることが多いです。洗浄力の強い洗顔料やゴシゴシ洗いは避け、肌に必要な潤いを奪わないようにすることが重要です。
- 洗顔料の選び方:
- アミノ酸系洗浄成分配合のものや、弱酸性のものがおすすめです。泡で出てくるタイプや、自分で泡立てるタイプなら、きめ細かく弾力のある泡が作れるものが良いでしょう。
- スクラブ入りやピーリング効果のある洗顔料は、肌への刺激が強すぎるため避けてください。
- 洗顔のタイミング: 朝と夜の1日2回。
- 正しい洗顔方法:
- **ぬるま湯(30~32℃程度)**で顔を予洗いします。熱すぎるお湯は必要な皮脂まで流してしまうので注意してください。
- 洗顔料を手に取り、しっかりと泡立てます。泡立てネットを使うと簡単に濃密な泡が作れます。
- 泡をTゾーン(額・鼻)から乗せ、次にUゾーン(頬・あご)に乗せていきます。
- 泡で肌を包み込むように、指の腹で優しく転がすように洗います。決してゴシゴシこすらないでください。
- 20秒~30秒程度で洗い終えるのが理想です。
- 洗顔料が残らないように、ぬるま湯で20回以上丁寧にすすぎます。生え際やフェイスラインは特にすすぎ残しがないか確認しましょう。
- 清潔なタオルで、顔をポンポンと優しく抑えるように水気を拭き取ります。ゴシゴシ拭くのはNGです。
2. 保湿:水分をしっかり与え、適切に油分で蓋をする
洗顔後はすぐに乾燥が進むため、間髪入れずに保湿ケアを行います。水分をしっかり補給し、それを閉じ込めるケアが重要です。

化粧水
- 選び方:
- セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸、コラーゲンなどの高保湿成分が配合されたものがおすすめです。
- ビタミンC誘導体も皮脂バランスを整える効果が期待できますが、刺激を感じる場合は低刺激性のものを選びましょう。
- アルコール(エタノール)フリーや敏感肌用の表示があるものが良いでしょう。
- 使うタイミング: 洗顔後すぐに。
- 正しい使い方:
- 手のひらに500円玉大よりやや多めの化粧水を取ります。
- 両手のひらに広げ、まず顔全体を包み込むように優しくなじませます。
- 乾燥が気になる部分(頬や目元、口元)には、重ねづけをします。
- 手のひらで顔をハンドプレスし、肌にしっかり浸透させるように優しく押さえます。肌がもっちりしたら浸透したサインです。
美容液
- 選び方:
- インナードライ肌には、**セラミド、ナイアシンアミド、レチノール(低濃度から始める)**などが配合されたものがおすすめです。セラミドは肌のバリア機能を強化し、ナイアシンアミドは皮脂バランスとバリア機能の改善に役立ちます。
- 使うタイミング: 化粧水のあと。
- 正しい使い方:
- 適量を手に取り、顔全体に優しくなじませます。
- 特に乾燥が気になる部分や、肌荒れが気になる部分には重ねづけしても良いでしょう。
乳液・クリーム
- 選び方:
- ベタつきが気になるインナードライ肌の場合、軽めのテクスチャーの乳液から試してみるのが良いでしょう。それでも乾燥を感じる場合は、油分と水分のバランスが良いジェル状クリームや、セラミド配合の保湿クリームを選びます。
- 毛穴を詰まらせにくいノンコメドジェニックテスト済みと記載されているものを選ぶと、ニキビができにくいです。
- 使うタイミング: 美容液のあと(または化粧水のあと、美容液を使わない場合)。
- 正しい使い方:
- 適量を手に取り、顔全体に薄く均一になじませます。つけすぎるとべたつきの原因になるので注意が必要です。
- 乾燥しやすい頬や口元から塗布し、Tゾーンは最後に少量だけなじませるようにしましょう。
- 最後に手のひらで優しく顔全体を包み込み、成分を浸透させます。
3. スペシャルケア:週に1~2回の集中ケア
インナードライ肌の改善を早めるために、週に1~2回、スペシャルケアを取り入れると効果的です。
シートマスク
- 選び方:
- **高保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸、CICAなど)**がたっぷり含まれたものを選びましょう。
- 刺激の少ない、敏感肌用と記載されているものが安心です。
- 使うタイミング: 週に1~2回、洗顔後、化粧水のあとに。
- 正しい使い方:
- 指示された時間(通常10~15分程度)を目安に、顔に乗せます。
- 時間が来たらマスクを外し、肌に残った美容液を手のひらで優しくなじませます。
- そのあとは乳液やクリームでしっかり蓋をしましょう。
ファンデーションの浮き対策
ファンデーションが浮いてしまうのは、肌の水分不足と油分過多が原因です。スキンケアで肌の状態を整えるのが一番ですが、メイク時にも工夫が必要です。

- メイク前の保湿:
- メイク前に、軽めのテクスチャーの保湿クリームや乳液でしっかり保湿します。ただし、塗りすぎは禁物です。
- ベタつきが気になる場合は、軽くティッシュオフしてからメイクに移りましょう。
- 化粧下地:
- 保湿効果のある化粧下地を選びましょう。乾燥崩れを防ぐタイプや、皮脂吸着パウダーが配合されていないものがおすすめです。
- 部分的に皮脂が出やすいTゾーンには、皮脂吸着効果のある下地を薄く塗るのも効果的です。
- ファンデーション:
- 保湿力のあるリキッドファンデーションやクッションファンデーションがおすすめです。パウダーファンデーションは乾燥を悪化させる可能性があります。
- 薄づきを心がけ、厚塗りは避けましょう。
- 仕上げ:
- ルースパウダーを使う場合は、乾燥しやすい部分は避け、テカリやすいTゾーンにのみ軽く乗せるようにしましょう。
- ミスト状化粧水をメイクの仕上げに軽く吹きかけると、メイクの密着度が高まり、乾燥を防ぐことができます。
生活習慣の見直しも重要
スキンケアだけでなく、日々の生活習慣も肌の状態に大きく影響します。
- 水分補給: こまめに水を飲み、体の内側から水分を補給しましょう。
- バランスの取れた食事: ビタミン、ミネラル、タンパク質をバランス良く摂取し、肌の健康をサポートしましょう。特にビタミンB群やビタミンCは皮脂のバランスを整えるのに役立ちます。
- 質の良い睡眠: 肌のターンオーバーは睡眠中に行われます。十分な睡眠時間を確保し、質の良い睡眠を心がけましょう。
- ストレス管理: ストレスはホルモンバランスを崩し、肌トラブルの原因になります。適度なリフレッシュやストレス解消法を見つけましょう。
- 室内の湿度管理: 乾燥する季節は、加湿器などを使って室内の湿度を50~60%に保つようにしましょう。
継続が鍵
インナードライ肌の改善には時間がかかります。焦らず、ご紹介したスキンケアと生活習慣を最低でも1ヶ月は継続してみてください。肌の状態は少しずつ改善されていくはずです。
もし、ご自身でのケアで改善が見られない場合は、皮膚科医や美容皮膚科に相談することをおすすめします。専門家のアドバイスを受けることで、より適切なケアが見つかるかもしれません。
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